譜面ギミックの作り方


・はじめに

 特に入れる必要はないのですが、ロマンにだけは満ち溢れている。
上手く使えば、曲への没入感を上げられるかも?
そんな譜面ギミックの作り方を説明します。

  なお、今回は技術面の解説しかありません。
どこに何を入れると映えるかは、私自身も全く分かっておりません。

・何を使えばいいか

  有名かつ使い勝手も良いので、ほとんどのBMS譜面作家はBMSEを使っていることでしょう。
しかし、BMSEは192分単位でしかシーケンスを扱えません。
譜面ギミックをきっちりと作るためには、512分や1024分、もしくはそれ以上に細かい単位での編集が必要になります。

 そのため、譜面ギミックを作る時だけはiBMSCを使いましょう。
当然ながら、その後BMSEで開いたが最後、元の木阿弥。上書き保存してしまうと今までの苦労が水泡へと還ってしまうので、
譜面ギミックは配置を全て決めた後、なるべく最後に作るようにしましょう。

ギミックを導入しない譜面 ギミックを導入した譜面 ソフランを入れてみる

・小節長の計算

 ギミックを作る際に必須となってくるのが、必要な小節長の計算。
しかし、配置が面倒なだけで計算自体は非常に簡単です。
BPMの倍率と同じだけ短くするだけです。BPMが半分なら2分の1、BPMが倍なら2倍。

 ただし、倍率の分母は出来る限り2と5だけで構成しましょう。
きっちりとした値で書き出されない可能性があります。

ギミックを導入しない譜面 ギミックを導入した譜面 小節長を弄ってみる 小節長を弄った結果

・音と小節線の同期

 "視覚的な変化は与えたいけど、ゲーム性に影響するギミックは嫌だ" という人には、
音に同期した小節線の追加をお勧めします。
音、特に打鍵音に合わせた位置に小節線を置くだけです。非常に簡単です。

・ワープの作り方

 譜面ギミックで簡単かつ意表を突きやすいのが、ワープ。
数msならズレても分からないかもしれませんが、何としても完全な同期を保ちたいところです。

 ズレを回避するためには、ごくわずかな小節を引き延ばすように作るようにするとよいです。
そして、引き延ばした分だけBPMを上昇させます。
たとえば、1/128小節を2小節に引き延ばすならば、256倍速にすればよいです。
ちなみにiBMSCは65536以上のBPMを扱えないので、BPMはギミックを作った後にテキストエディタで修正しましょう。

ギミックを導入しない譜面 ギミックを導入した譜面 ワープを入れてみる

・疑似低速の作り方

 停止を応用すれば、BPMを変えずに譜面速度だけを変えるということも可能です。
あくまでもノコギリ状に停止と再生を繰り返しているだけなのですが、極限まで短くすればそこそこ滑らかになります。
停止時間は最低でも192分であるため、1小節全てを半分の速度にするならば、停止と再生を1:1、つまりストップシーケンスを96個置けば良いことになります。
その際、小節長もそれに合わせて変えることを忘れずに。

ギミックを導入しない譜面 ギミックを導入した譜面 ただの低速と疑似低速

・地雷を使いこなそう

 癖のある譜面を作る際に、意外と使い勝手が良いのが地雷。
引っかかりやすい位置に置けば緊張感が出てきますし、絶対に押さないであろうレーンを指定することも出来ます。
その上、横方向の解像度が非常に低いという制約がありますが、一応絵も描けます。

 地雷ノートを配置する機能はBMSEだけでなく、iBMSCですら実装されていないため、手間のかかる作業となります。
不可視ノートで定義し、あとからテキストエディタ等で置換する等で手間を減らすことは出来ます。

 ちなみに、キー音のある音ゲーは、わざと変な音を鳴らせるのも強み。
地雷をむやみやたらに入れては、自由度の低い窮屈な譜面になってしまいますので気をつけましょう。

・見た目と描画頻度

 ワープなどの一瞬で終わるべきギミックであっても、実際にはわずかながら時間が経過します。
それをさとらせないためにも、途中の光景を一切見せないようにすることは重要です。
当然ながら、取るべき時間は最低でも1フレーム未満、つまる1/60秒未満でなければなりません。

 そこで、実際にギミックが作動している時間を求める必要があります。
まず、1分にかかる時間は、 240/BPM (s) で求められます。
あとは、引き延ばす前の小節長をかければ求まります。
例えば、BPM150の128分にかかる時間は、 240/150*(1/128)で、0.0125秒(12.5ms)となります。
これでも一応1/60秒より短いため、ギリギリ舞台裏を見せずに済むでしょう。

・おわりに

 前回は無難な譜面の作り方でしたが、今回は人を選ぶ譜面の作り方でした。
出来上がったら絶対に何度かテストプレイをしてみましょう。見た目では絶対に判断出来ません。
くれぐれも多用はせず、ここぞという時、ここぞという譜面にだけ使いましょう。

・おまけ

 最近はギミック譜面を作るのに飽きてきたので、今回のために作った譜面はありません。